|
|
|
|
これまでの居合は、伝統にのっとり、実戦を意識した、シンプルで無駄のない動きがその主な特徴でした。それはたしかにすばらしい特徴です。しかしそれはときとして、ヴァリエーションの少ない、退屈な印象をあたえがちであったということも否定できないように思われます。それに対して誠雲居合は、伝統的な居合から出発しつつも、ただたんにリアルな居合を追求するだけではなく、リアルでかつ理想的な居合の動き、理合の元にさまざまな可能性を身体表現として追求していく、まったく新しい武道として生まれました。
また、徒手体術運用を多用することで躍動的な動きが生まれ、形式的、儀式的な運用とは違った、多彩な刀法を可能にするアクティブな居合となっています。古流から成る刀法も、体運用一つで大きく変容するのです。 |
|
|
|
|
|
|
一つ目の魅力は下半身の動きです。
これまでの居合の下半身の動きは、剣道的な、つまり、両足が前後に広がり、後ろ足のかかとがあがったスタイルが主でした。これでは、前にいる相手にむかってとびこむにはいいでしょうが、前後左右から斬りかかってくる相手に対処するのはむずかしいでしょう。
それに対して誠雲居合は、下半身に空手の動きを取り入れました。これによって、四方八方からかかってくる相手に、方向転換しながらすばやく対処することができるようになりました。しかも、刀をたてに振るだけではなく、状況に応じて横にも斜めにも逆手でも、自由自在に振ることが可能となりました。そうすると、斬り方もおのずからかわってきます。剣道のように体重をまえに移動させながら相手を「たたき斬る」のではなく、体重をその場にのこしたまま「掻き斬る」ようにして斬ります。誠雲居合は、向かってこない相手は斬らない「活人剣」なのです。
二つ目の魅力は「自由斬り込み」です。
誠雲居合には大変豊富な基本技がありますが、それに加えてさらに「自由斬り込み」という非常にユニークな技があります。これは剣士が、100以上もある技のパーツを自由に組み合わせて、きめられた時間の中で、敵の動きを想定し、実戦的にシミュレーションしながら斬り込みをする技です。こうすればどんな人でも、自分にしかない技を編成する編成ことができ、どのような状況下においても対応していくことができるのです。
その100以上ある技パーツは「斬る」だけでなく、「受け」「太刀捌き」「牽制」「体運用」といった、細部に渡る技があるので、自由斬り込み構成もより細かく組むことができます。
三つ目の魅力はその芸術性です。
誠雲居合は、ほかの武道と同じように、音楽も舞台装置もなしに、かけごえだけで、あるいはかけごえなしで演武する場合があります。しかしそれだけではなく、さまざまなアーティストたちとコラボレーションしながら、居合を中心としつつ、それが一部であるような一つの作品をつくっていくということもあります。これは今までの武道にはなかった誠雲居合のまったく新しい一面と言えるでしょう。
四つ目の魅力はダイエット効果です。
稽古中は、はげしい運動をしたという自覚はあまりないかもしれませんが、誠雲居合には、他の居合の流派とはちがい、刀をよこに振ったり、腰を低く落としたり、さまざまな方向にふり向いたりする動作がたくさんあります。特に誠雲居合は腰の運用が“肝”ですので、胴まわりはもちろんのこと、おしりや太もも、首まわりなどに締まった筋肉がつきます。また、刀をふることで二の腕や肩のあたりも引き締まる効果があります。また、全身の神経を使うのでその緊張感からか、顔つきも変わったりします。何より、姿勢が良くなります。
|
|